3) 私達の心にきざまれた物語、実際に起こったストーリーをお伝えしよう
それでは参ろう。
あなたは、私の愛しい、そして、とても・・・愛する人。ありがとう・・・と、まず、あなたへの一言。
それでは始めよう。
これから私のお伝えしたいものは、これまで私が様々な体験を積んだ中から、最も私にとっても、すべての人々にとっても意味のある大切なことである。
私は・・・今、多くの人達から・・・イエス様という、「様」づけで呼ばれ、皆さまの心の中に住まわせていただいている。
しかし、それは私の側面のごく一部を誇張し、ある意味、全体でなく、ごく一部をご存じであるということである。
これから、あなたに、とても大切な、現実に起こっていた物語・・・私達のなつかしき、そして今もしっかり・・・皆の、そして私達の心にきざまれた物語、実際に起こったストーリーをお伝えしよう。
あなたと私・・・そして多くの人々のお話である。
今は昔・・・と、なろうか、実際は、時という一種の幻想の中で起こった物語、実際に起こったことである。
あの美しき・・・私とあなたの愛の物語である。
これまで、多くの人の口から語られてきた私とあなたの・・・大切で深い・・・物語の中には、いろいろな曲折を経て実際に起こったことと、事実と違って伝えられているものも多くあり、それはまたそれで何らかの意味を持つものではあろう。
これからお伝えすることは、主に、私とあなたの・・・物語、現実にかつて起こった事実であり、直接あなたに書きとっていただくことで、歴史の一部、そして、皆様の大切に思われている天の教えの中の一部として、知っていただけるよう願っている。
それでは、私とあなたとの出会い・・・そもそもの、初めての出会いから始めよう。
あなたは、私の知り合い・・・そう、あなたは、小さな、そしてとても大きな野望を持った美しい一人の立派な女性であった。
しかし、それは、ごく親しい者のみの知る側面であり、多くの人の知るあなたは、いわば、あばずれとも称されるような行動の多い女子であり、周囲の者は、あなたから目をそらし、なるべく交わりを避けるような傾向の者が多かったのは、それは当時の人々の心の浅はかさ、心の狭さ、全てを表層からのみ判断する文化とも関係があるとも言える。
しかし、どの世も、それは今も同じく、人はその表層に現れた言動に依って判断されるものであろう。
あなたは、そういう類の女子で、行動は皆の目をそむけさせたがる性格のものが多かったのであろう。
人々はあまり、あなたに近寄らず、コソコソとお互いに顔をそむけながら、見て見ぬふりをして遠ざかっていくようなものであった。
そしてあなたは多くの場合、一人で町を歩き、そして男たちは、そのあばずれ加減を茶化すように近づいて行き、親しくなろうと言葉をかけた。
今もそうであるように、あなたに近づき、あわよくば手や足を接し、男としての興味ある側面を引き出したかったのである。
そのことがまた、多くの周囲の人達、特に女性達の目をそむけさせ、口々に噂をする機会を増やしていった。
そんな中でのある日のことである。
私は、町の中をなんとなく、何の目的もなく歩いてみたくなり・・・一人で家を出て、フラフラと町を歩いていたのであった。ただの散歩・・・というか、外に出て、歩いたり、体を動かして、外の空気を吸いたかっただけの、何の目的も意識せず歩いていた時であった。
大きな音が響いたのである。
バーン!というか、何かがはじけて破れたような音に、私は驚いてその音のするほうに目を向けると、あなたと数人の男達が何か騒いでいたのである。男たちは、あなたの手を引きずるようにあなたを留めさせたがっていた。
あなたは、その男達から逃げたいように手を振り払ってはいたが、男達二、三人はそうはさせず、そこで何か大きな音を出すことで驚かせ、逃げたがる動きを止めようとしていたのである。
私はとっさに、そちらに走り寄り、あなたの差し出された腕をつかみ、男たちの手からあなたを自由にさせる事が出来たのである。
そんなことが・・・あなたと私の最初の出会いであったのだ。
それから、私達は、徐々に、そして急速に親しくなっていったのである。
あなたは、とても素直で正直な、可愛い同世代の女子であった。少なくとも、私に対しては。
それから、あなたと私は二人でお散歩をしたり、花を見に丘へと上がって行ったり、町中を散歩したりと二人の時を過ごすようになっていったのである。
そんな中で私が思い出すことがある。
それは、あなたが私に尋ねた一言である。
「あなたは、何をしている人なの?」
私は言った。
「そうだね、私は何をしているのだろう・・・何も特別はしていないけど、親父さんの手伝いをしている。いろいろなもの・・・道具を直したり、作ったりしているのさ。時には頼まれた家の塀を作ったり、直したり、家の周りもいろいろやることもあるよ」と。
私がそんな風に答えると、あなたは、こう私に言った。
「それは、スゴイ! 何かを作るって、私がとても尊敬すること。何もないところから、何か人に役立つものを作るって・・・素晴らしいことよね・・・」と。
私はとても嬉しかったのを憶えている。
私の好きな女の子に褒めてもらった嬉しい気持ちは、今でも忘れられないのである。
あなたはこうも、よく言った。
「あなたが、私を大切にしてくれるのはなぜ? あなたが私に優しくしてくれるのが、とても嬉しい」とも。
そうして、私達は、お互いになくてはならない大切な人となっていったのであり、私はこの時の流れを、今でもとても大切に心の中で繰り返し思い出しては、幸せだった頃を懐かしんでいる。
それから、沢山、いろいろなことを二人でしたり、楽しんだり、生活をも共にするようになっていったのである。
私にとっては、今もとても大切な、かけがえのない思い出でもあり、これからもあなたへのこの気持ちは変わることなく続いていくだろう。
時を経ても人の本質は変わることはない。
ただ、周りの風景や試すことが変わるのみ。そこから人は多くの体験や学び、そして喜びを得ることで大きくなり、深くなり、愛を知り、行うことにより、深みを増していくのであろう。
そして、私達は、これまでも、多くの時と多くの場所、多くの行動を共にし、大きな喜びと、そして経験を通して、多くの学びも為してきたと言えるだろう。
それは、多くのカップルと何ら異なるところはない。
ただ、私とあなたの場合、多少異なるものは、多くの人々の口に上ったり、書かれたり、伝えられたりしている事柄があるということであり、それは、私が・・・私達が、常に、天からの教え、そして、望みをお伝えする任務のようなものをいただいていたからである。
私達に出来ることを、人のやるべきことの一つとして試したことで、多くの人々と関係性を持てるようになったのである。天のお伝えしたい事を代弁することが、私の大きな人生の目的であったからである。
しかし、当然のことながら、私とあなたにとってそういう私の仕事とは直接関係なく、少なくとも、若いころの数年はあなたと私はただの若者、お互いに深く愛し合う夫婦のような間柄だったに過ぎない。
いつも手をつなぎ、微笑み合わずにはいられない二人であった。
今でも、本当はそうなのである。
あなたと私は、他者を入れない素晴らしい純粋な一つの単位として、愛という一つの塊を成している。
そのことが、あの時は、悲しい不幸な結果へと結びついてしまったのだが、それが多くの人々の心に刻み付けられ、伝説のようなものとして、後々まで伝え語られていくなどとは誰が思ったことであろう。
ただ、私は、天の教えをお伝えしようとしたのみ。ただ私に課せられたことを為したのみであるが、後世にまで伝えられ、多くの人の心を支えるものとなっているのを知る時、私の心は感謝と喜びの心で一杯になる。
さて、あなたとのどんな時を過ごしたのか、に戻ろう。
あなたは、私の大切な、大切な、妻のような存在であったのみならず、私が伝道者としての仕事を為すのを大いに支え、手伝い、そして生き続けることが徐々に難しくなっていった中、私に勇気と生きる意欲を与えてくれた、大切な、そして唯一の存在なのであり、今でもその心は常に変わることはない。
そして、これから、あなたと私の長い物語をお伝えして、それを書き取ることで、何らかの世のプラスになるのを願って、これからもお伝えいただけるよう、お願いしたいのである。
今日は、この位にしておこう。
あなたの、そのご努力に心からの愛と感謝をお伝えし、これからもよろしくお願いしたい。
ありがとう・・・ありがとう。
あなたへ、私からの・・・大きくて、深い、愛をお送りしよう。